【感想】仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER あなたの仮面ライダーはここにいる 

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空っぽの星から始まった平成ライダーが繋いできた物語は、どこに向かうのか。儚くも消えてしまうのだろうか。

だが、僕らの仮面ライダーがそこにはいた。当時の仮面ライダーが出演しているのではなく、僕らの記憶の中にある平成ライダーがいた。今回は特に平成ライダーたちと共に成長した、成長し続ける人たちに送るメッセージ性を感じました。

 

そして、平成ライダーを通じて僕たちは何を見たのか。そんな感情が映画館で一体となったとき、泣いてしまった。

 

 

映画館であるからこその、会場の一体感。

まるでみんなが観客であり、アーティストであるような感覚。まさにFOREVER。

 

 以下、本編に関するネタバレがありますので鑑賞前の方は見ないようお願いします。本当にお願いします。

 

   

 

一視聴者であった僕らや現行ライダーを見ている子どもたちと同じこの世界に、絵空事である仮面ライダーがやってきた。

いや、こちらの世界にやってきてしまったというべきか。

 

タイムジャッカーのディードにより、平成ライダー最初の『仮面ライダークウガ』が存在しないよう番組放送前(2000年1/29)に特異点(時間干渉の影響を受けない)のシンゴを封印。そして自らもアナザーライダーになり、『平成ライダー』そのものがなかったことに。

 

 

そんなシンゴの弟でもある2018年のアタルはジオウと共に弟を救おうとするも、自分が大好きな仮面ライダーの形をしているだけのアナザー電王になってしまう。

 

 

そして、時は進み、劇場冒頭の2018年12/3の高校生常盤ソウゴが魔王にならないルートに繋がる。しかし、ここでアナザー電王になる前のアタルの願いを叶えるフータロスによって、"仮面ライダーが存在している世界”からソウゴらのジオウ組と新世界になった戦兎と万丈らのビルド組が呼び寄せられる。

 

フータロスの能力が不安定なため、新世界とはそれぞれ異なる世界線?からグリスやローグを呼んだり、記憶が消えてしまったりする。だから、ソウゴが魔王にならないルートに。

 

フータロスの契約が完了し、各ライダーが各々の世界に戻る。ダブルライドウオッチにより、再び我々のフィクション側のディードがいる世界に移動。

ライドウオッチが反応して、目が光る描写がまさに戦兎とソウゴの二人で一人の仮面ライダー。

 

仮面ライダージオウ DXダブルライドウォッチ

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そして、虚構世界の人々はもちろん、劇場に来ていた人たちの記憶により、平成ライダーが存在する状況を作りだす。

記憶が覚えている限り、仮面ライダーは存在する。そんなセリフを再び聞けるとは思わなかった。

 

ここに出演したのは、ただの仮面ライダーではない。

僕らの記憶でなお、存在している仮面ライダーなのだ。

だからこそ、佐藤健が出てきたときに、みんなの反応が野上良太郎だ!やざわざわしている感覚。まさに記憶の時間がつなぎとめる。

 

アナザー電王になってしまったアタルが、好きな電王を見ても忘れてしまう。アナザー電王に「忘れちまったのか、俺のこと?」と聞き、戦う電王はまさに、アタルにとっての仮面ライダーだった。

ウラタロス憑依の良太郎にモモタロスたちが語りかけるのは、僕ら観客と同時に俳優の佐藤健にも語りかけてるようにも。ここのシーンをきっかけに涙が止まらない。モモタロスから「俺たちもお前を忘れるかよ。良太郎。」と僕らにも言われたら泣くしかないのだ。

 

人々の記憶や助けてという声に呼ばれた平成ライダーたち。

美空の思いに応えたグリスとローグ。子どもたちの声に応える平成ライダーたち。

見ている観客の思いにも応えて活躍する姿を見るのは、まるで僕らも映画世界の一人になり、ライダーたちを呼んでいるライブ感。

 

仮面ライダーウィザード特別編53話の終わらない物語にて、助けを呼ぶ子どもの声に応える平成ライダーたちの姿が頭をよぎった。

仮面ライダーウィザードVOL.13<完> [DVD]

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全ての主役平成ライダーたちにオリジナルキャストのライブラリ出演や新規追加がさらに各ライダーのらしさや演出を全力でぶつけてくる。

クウガの叫び声やオーズがタカメダルをさすったり、ドライブの地面を滑るような走行攻撃。響鬼の音撃暴をくるくるしたりと。

 

さらに僕らの記憶やこうするかもしれないというアギトのエネルギーのような剣やキバの鎖を用いた攻撃。555はオートバジンに乗ってクリムゾンスマッシュのポインターで突撃する。確かに原作では、なかった技かもしれない。でもここでは僕らの記憶の仮面ライダーなのだ。

○○っぽくない。でも誰かの記憶の仮面ライダーではありえた設定かもしれない。

君の仮面ライダーがまさに動いているのだ。

 

アナザークウガが究極の闇をもたらすものになったとしても、ムービー大戦や能力が似ている同士の仮面ライダーが好きだ人たちをニヤリとさせる組み合わせが今まで追いかけてきた僕たちの心を滾らせる。

 

作られた架空の存在であったビルドの桐生戦兎が、人々を救う。「それは、虚構でも現実でもどっちでもいい」一年間自らのアイデンティティが問われ続けたからこそ、ジオウに響くメッセージが強まる。

 

サブライダーらも主役に喰われない活躍だったのも。

アナザーダブルがダブルアーマーにハーフボイルドかと言ったのも、内心ハーフボイルドだからダブルで正解なんだよなぁと。(ただ、アナザーダブルが必要あったかと言われたら要らなかったのでは)

 

ダブルアーマーの両肩のガイアメモリが動く様は、ケータイ捜査官を感じる。

超合金 GE-46 フォンブレイバー7

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地味にソウゴが悩んでるところをシンゴに見られるときに心配をかけないよう、気丈にふるまうのが好きです。 

 

最後、平成ライダーを何も知らないはずのシンゴが、見ていないけれど20人の平成ライダーたちを『仮面ライダー』として見る姿がまたにくい。

 

僕が子どものころは、ちょうどティガやダイナ、仮面ライダークウガが放送されていました。ヒーローショーでクウガを見たのが脳に焼き付いている。作品を見ることを通じて、友達とのいわゆる”戦いごっこ”やお話、親に変身ベルトをねだることなど様々なことを経験させてくれた。

 当時は、幼稚園と家族の二つの世界しか知らなかった。だから世界のどこかで仮面ライダーがいると本気で信じていた。

 

でもそれは、今回のアタルと同様にフィクションと認識することが当たり前になってくる。でも、そのフィクションである『仮面ライダー』を通じて友達になったり、会話をしたり、考えを知ったりと僕らの人生に多少なりとも影響を与え続けている。

そのフィクションである『僕らの中にいる仮面ライダー』がいたことが、現実の手助けや行動に繋がった全ての人、そして未来でそうなるであろう子どもたちに送られる映画だ。

 

フィクションを見てきた僕たちが得た全ては、虚構ではない。

例え、フィクションであろうとも、与えられたものは事実であり、本物だった。

この映画をはじめ、語られたり人々の記憶が続く限り、僕たちの中には『仮面ライダー』がいる。ありがとう。そしてこれからもよろしく、仮面ライダー。

 

クレジット背景に、主演俳優の写真流れてたから、実質全員オリジナルキャストでは…

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