【感想】(2019年2月27日追記)7話 絡新婦の巻 TVアニメ『どろろ』 人と妖の愛の逃避行

種籾(たねもみ)を握り歩く。前より人間らしい顔つきとなった百鬼丸。少しでも励まそうとして、笑わせようとするどろろ。2人は人攫いが起こる村に訪れる第七話。

どろろOP 女王蜂「火炎」 百鬼丸の顔つきが変化してると思うのは僕だけ?

前回のおさらい

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 2019年2月27日追記

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人間と妖の逃避行 

あれ、愛の逃避行を見ていたのか…

 

今までの、敵はどす黒い血のような赤い色をしていた。人間の生気?精気?を吸い取っているときには、今回の妖「絡新婦(ジョロウグモ)」も同じだった。

(公式Twitterより、生気でなく、精気だそうです。サキュバスみたいですね…)

弥二郎が「人も虫も同じだ。生きてることには変わりはねぇ。」と言ったことを境に、絡新婦は徐々に変化していった。いや、弥二郎から与えられた「おはぎ」という名前でもう一度違う道を歩もうとしていた。今までは、精気を吸って生きていた自分なら、弥二郎のも吸い取ろうとしていた。相手も腹が減っていることをしったおはぎは、それをしようとしなかった。

 

あれ、今回の妖いい奴感がする、でも待てよ。これ弥二郎か絡新婦のどっちか死ぬor両者とも死ぬことになる靖子にゃん(本作品の脚本家)お得意の高いとこまで連れてって、落とすのでは』と勘ぐった。それほどに、今までのTVアニメの『どろろ』の作風から思うとこはある。加えて、前回第六話のミオのこともあり、疑う人は多いはずだ。

 

弥二郎はおはぎが化物だと知っても、逃がそうとする。精気は吸っているが、絡新婦は一度も殺していない少し変わった妖。生起を吸われた男性が、また戻るフォローがあったのが安心材料となった。果てには、妖の絡新婦から一緒に逃げようというするもはやプロポーズともいえる行動。

そこに水を差す採石を生業としている領主に従順な侍により、弥二郎の左腕に矢が刺さる。そして、激情する絡新婦。刀を向ける百鬼丸。

もう一番高いとこまで登ってしまった。後味苦くて、少しラストに希望があるカット。そんな終わり方だと思った。

絡新婦の巻

 

魂の炎の色に人も妖もない

「おはぎ、今までもこれからも、だろ」含まれた言葉には、弥二郎とこれからも共にするには、おはぎとして生きていく上で超えてはいけない瀬戸際で止めた。今の目が見えない百鬼丸から見た敵か敵でないかの違いは、赤いか赤くないかだけだ。だからこそ、体から湧き上がるような赤い色をしていた絡新婦から、その憎しみが消え去った。

百鬼丸には、まだ二人の関係が見えない。ただ、炎の色と音を感じ取って、敵でないということだけは、分かったのではないか。それは全てを見て、聞いて、感じたどろろも同じはずだ。その関係が分かるのは、これからの弥二郎とおはぎの二人だけなように見えるとこがいい。

 

恐らく、百鬼丸が赤い炎の色を絡新婦から感じ取らなかった場面はここだけでないように思える。それは、どろろがやっとのことで弥二郎と絡新婦を見つけて、弥二郎が人さらい(実際には、重労働の村から逃げさせることだった)と告白したシーンだ。

侍たちが現れて、攻撃をするまでは絡新婦から赤い色は出ていなかった。それは、絡新婦でなく、おはぎとしてだったからだ。それほどに弥二郎がおはぎに与えた影響は大きいものだった。

 

前回(第六話)、穴倉から出たのが鬼であってしまった百鬼丸。鬼のように叫び、切り倒す百鬼丸は赤い色が体から出ていたと感じたが、それもミオの種籾をきっかけに、赤い色が消えたはずだ。

人、妖どちらも鬼になれる存在であり、綺麗な心の持ち主になる。心を墜としてしまった者が、鬼神となる。人だから、いい。妖だから悪い。そんな勧善懲悪な世界でない。互いに違う存在であっても、共存や理解ができる道を一つ開拓できたのではないだろうか。

(2019年2月24日追記)

絡新婦は鬼神ではないようです。

最初、鬼神か妖かで、大分後味変わりますよね。見逃したら、百鬼丸の体が戻らないですし。

 

 

魂の炎の色についての言及は2話の感想で詳しく
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小ネタ 

どろろたちが、村に入る際に貰った(もしかしたら購入した)通行手形に記載されている「応仁」は応仁(1467~1470?)の時系列?

どちらにせよ、室町後期から戦国時代にかけての時代をモデルにしていることもあるので、もし応仁元年だとすると、応仁の乱…。まさに戦の時代のど真ん中。


おはぎがごはん茶碗を弥二郎から受け取る際に、箸を落としたのは元が蜘蛛型だから、目が見えにくかった可能性。

蜘蛛の目の見え方って?なぜ光る? | 蜘蛛研究室

 

まとめと第七話予告

最後に、どろろが蜘蛛を殺さず、蜘蛛に謝ってたとこを見て、笑った百鬼丸がエモかった。どろろが百鬼丸のことを気にして、頑張ってる姿が健気の塊みたいで、可愛すぎる。

ドクダミ食べてる百鬼丸とどろろの横顔がどこか似ているのもいい。ただ、百鬼丸味覚は痛覚が戻ったから、味覚も戻ったのか不明ではありますが。百鬼丸はさらっとドクダミ食ってましたが…。

耳を活用して、声を聞き分けてる百鬼丸に成長を感じました。ミオやどろろの言う通り、頑張ってる姿に加え、どろろの声を止める口元に指を隠すボディコミュニケーションも百鬼丸とどろろの二人の信頼関係が深くなったことを感じます。どろろに腕を取ってもらって抜刀したり、犬のように腕を持ち歩くどろろも良きかな。

 

 TVアニメ『どろろ』 第八話「さるの巻」予告

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人に興味を持つ絡新婦、最初マジレンジャーの冥府十伸のダゴンを思い出しました。

タゴンじゃなくて、ティターンでしたね…。