ゲームも映画も含めて、良い作品というのは時が経過してもリメイクされたり、復刻版として光が当たるのが世の常なのかもしれない。
任天堂が提供している「Nintendo Switch Online」では、かつての64ハードでのソフトがSwitchでプレイすることができ、『カスタムロボ』や『ゴールデンアイ』の対戦機能も実装されている。
今回は新作ゲーム発表の一大イベントであるニンテンドーダイレクトにて、ゲームボーイとゲームボーイアドバンス(こちらは有料)がSwitchのハードにてプレイすることが可能になった。GBAからは『くるくるくるりん』や『メイドインワリオ』、『メトロイド フュージョン』が…!
あれ、昔に似たようなサービスなかったか…?!
朧気な記憶だと、ローソンのチケット発券機にスーファミとゲームボーイのカセット挿入口がある……
名前は分からないけど、当時にしては中々に尖ったサービスだった気がする。
検索したら出てきました。
あいつは、『ニンテンドーパワー』だ。
そもそもニンテンドーパワーとは
それは、任天堂が提供するゲームの書き換えサービスなんです。
現在、スーパーファミコンとゲームボーイソフトの書き換えを行なっています。
どういうふうに書き換えるかというと、コンビニエンスストアのローソンで、Loppiという機械を使います。
全国のほとんどのローソンには、このLoppiが置いてあるはず。
Loppiでは、コンサートのチケット予約や映画の前売り券の販売などの
各種サービスも行なっているのだけど、その中にゲーム書き換えのサービスがあるというワケなのです。
発売からすでに10年以上たつソフトの中には、お店では手に入らないものも。
スーパーファミコン、ゲームボーイのソフトには、そんな名作がいっぱい。
ニンテンドウパワーなら、過去の名作ソフトが手ごろなお値段で楽しめるのです。
「あの作品、もう一度プレーしたいな」と思ったら、ぜひぜひお近くのローソンへ。
さらに、ニンテンドウパワーでしか手に入らないオリジナルの新作ソフトも登場。
ゲームファンなら注目!の個性的なシステムなのです。
引用:https://www.nintendo.co.jp/nom/0011/thisisnp/index.html
当時は公式HPなんて存在知らなかったですが、今も阿部寛の公式サイトレイアウトのように残っていますね。
今のスタイリッシュな印象がある任天堂が、"秋だ!ゲームだ!ニンテンドーパワーだ!"という本物のパワーワードを見て、笑ってしまったぞ。
参考
ニンテンドーパワー
https://www.nintendo.co.jp/nom/0011/index.html
阿部寛
http://abehiroshi.la.coocan.jp/
これZ世代はギリギリ知ってる人もいるのかな……
当時はLoppiのマシンにゲームカセット差し込み口があるのが、不思議で仕方がなくて。親に聞いても分からなくて。でもしばらく後に手に入れることに成功したんですよ。
あくまでもゲームソフトがダウロンードできるデータのない外側みたいなものです。上述の引用にもあるようにLoppiの機械にて販売してるゲームデータを購入して、GBメモリカートリッジにダウンロードして遊べます。
そのため、最初はパッケージにも書いてあるように中身は空です。ゲームボーイで起動しても、電源つけたときの起動ロゴしか出力されなかったはず……(詳細知ってる人いたら教えてください)
だからこそ、初めてLoppiにゲームカートリッジを挿し込んだときに、"僕だけのゲームソフト"を持てた特別感が強く残っていたこともあり。
今回きっかけはもらいつつもニンテンドーパワーを思い出すことができました。
Wii Uも「バーチャルコンソール(VC)」にて過去作品がプレイできる環境はあったのですが、今まで以上に広告効果が強いと思われる自社でのニンテンドーダイレクト発信にて過去作品が遊べるという宣伝は今までリーチしていない人にも届いていそうで。
そもそも過去作品のゲームやあの名作と言われる作品を遊びたい欲望は、昔も今も変わらない共通思念なのかもしれません。
今度はゲームキューブのソフトもプレイできるとなると嬉しい。修学旅行にゲームキューブ持ってきた奴、全国の1学年に一人はいたはず……
リメイクや復刻の良さの一つとして強く思っているのはプレイ環境の快適度が上がることだ。
太陽を利用する「ボクらの太陽」シリーズは別だが、当時は外でゲームボーイアドバンスなんてしたものなら、画面が真っ暗で見えなかった。その上室内でも場所によっては見えにくいし、手に汗握る戦いで本体を落として、ゲームがとぶなんてことも。現代技術では明るさ調整や一時的にセーブできる機能が補完され、中身はそのままにプレイ快適度は非常に進化している。
ちなみにだがゲームボーイアドバンスSPのバックライト機能は画期的だし、機能美のあの折り畳み式の正方形はカッコイイゲームデバイスデザインの一つだと考えている。
インストールした作品の中の強い思い出
『星のカービィ2』
基本は横スクロールアクションでカービィの吸込み+コピー能力を駆使して、ステージを進めてボスを倒すゲーム
やりこみ度が高く、とにかく面白かった。
ボス自体は当時小学低年生でも倒せたのだが、やり込み要素である「虹のしずく」を集めるのに頭を抱えていた。
このアイテムを集めないと、真のラスボスが倒せない。
通常のラスボスであるデデデ大王を倒したエンドロールだと、どこか暗い含みのある終わり方なんですよね。
隠しボスいるじゃんと思い、取集に乗り出し再度7つのステージを調査する楽しみがあると"当初"は思っていました。
特定のコピー能力でしか壊せないブロックがあり、それを突破するとゲットできる仕組みになっている。しかし、今作はパッケージにもある三匹のリック(ハムスター)、カイン(マンボウ)、クー(フクロウ)と協力する必要があるのがほとんどだった。
つまり、カービィのコピー能力+パートナーの組み合わせ計算式が一致してやっと念願の「虹のしずく」がゲットできるのだ。一種の謎解き要素です。
例えばカービィのバーニングは横移動の攻撃しかできず、下のブロックは破壊できない。しかし、クーを相棒にしている状態でバーニングをすると横移動でなく、ライダーキックよろしく急降下ファイヤーバードアタックに変化し、下のブロックを壊すことができる。
ゲットできたときは、跳ねるように高揚してました。
ただ後半になるにつれてハードルが高くなり、あの頃にはピンポイントに調べる方法も環境もなかった。
PC自体はあるがネットには繋がっていないあのイルカが出てくるWordしか入っておらず、幼き僕はそもそもローマ字を打てないし、ググるという概念すらない。
当時の解決法といえば友達や近所のお兄ちゃんに聞くか、コロコロコミックまたは攻略本にて発見するのどちらかだったと思っています。
前者は悲しいかなニンテンドーパワー自体がマイナーなサービスだったこともあり、当時『星のカービィ2』をプレイしている人は周りで僕だけだった。後者では200x年に1990年代の攻略本が書店に置いているかと言われたら少数であり、見つけることができなかった。
結果から言うと、挫折しました。
自力でいくつかは集めたのですが、半分以上は未入手となり、当時は年に2回あるかのゲームや玩具の購入機会をデジモンやロックマンエグゼといった新しいコンテンツに手を伸ばしていき忘れていきました。
そして時は流れ、ゲームカセット入れの奥に少し年季の入った白色のソフトを見つける中学生がいた。
懐かしさを思い出し、「虹のしずく」を探す旅に再挑戦。
中学生の僕はインターネットを使ったり、町のブックオフで攻略本を探すこともできた。だが、もう一度新鮮な気持ちでカービィをプレイすること自体が楽しかったのです。
小学生にはなかった様々な経験や知恵をぶつけ、全てのアイテムを収集し、ラスボスに挑戦することができました。
真のラスボスは強かったですが、倒しました。
なぜなら、幼少にはないパターンや死に覚えというお前が倒れるまでコンテニューし続けるただの大きくなった遊び心を手に入れていたからです。
(ロックマンエグゼシリーズの星集めやり込み要素をやったことが、真のラスボスであってもゲームは諦めなければクリアできるという一種の知見があったのは少し皮肉で)
爽快と達成感は今でもゲームのBGMや動画に出会う度、思い出します。
最後に
Nintendo Switch Online での過去作や名作をプレイできる環境は当時の諦めてしまった自分を超えるリベンジマッチや郷愁も味わえるかもしれません。
あの頃のワクワクは疑似的に再構築され、もしくはあなたが見ていない新たな世界を広げてくれるかもしれない楽しさが待ってます。
僕としては『コロコロカービィ』をやりたいなぁ。ゲームボーイアドバンスでやるとセンサーが合ってなくて上下左右逆に動かさないと転がっていかないんですよね。蘇るゲームの一つだと考えてます。