【感想】仮面ライダー冬映画予告の期待と不安  ~仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER~

 空っぽの星から、19の大きな歴史が描かれ、そして、記念すべき20番目のジオウという物語が執筆されている。しかし、その歴史が何もない偽の世界に変わろうとしている。仮面ライダー恒例になった「冬映画」枠の今回の物語だ。

 

この記事は予告段階での感想記事です。

 本編感想記事は以下のリンクになります。

 

www.bokuto10.com

 

 

www.youtube.com

【予告映像解禁】「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」

東映特撮YouTube Officialより

 

 

にやにやが止まらない。

仮面ライダーがフィクションという、現実に合わせた世界観であり、時代を0からはじめた人から今を生きる子どもたちの胸が躍る。

各所に散りばめられたクウガの遺跡(もしや、先代クウガ?)、ビルドやジオウの本当の世界から隔離されたような描写が謎に拍車をかけ、期待が高まる。

特に、逃げる人々の方向とは真逆に、電王が歩く後ろ姿は、ヒーローそのものを表していて、かっこいい。

 

   

 

だが、同時に、両手を挙げての賛成もできない。

なぜなら、風呂敷を畳み、物語として成立するかが不安定なのだ。

 

今回の物語は、ジオウら仮面ライダーの世界が、僕らが見ているTV番組の世界に変化してしまうという、少しメタ的部分も取り込んだ設定のような節がある。加えて、仮面ライダークウガが物語に何かしらの接点、仮面ライダー電王も同じく関わりがあるように思われる。さらに、忘れてはならない現行ライダーのジオウ、旧現行の主役であるビルドたちの物語。極めつけは、平成主役ライダー集合の場面。

 

この情報を、齟齬がなく、まとめることができるのか。

違う世界線+過去の超有名どこを19人+その一部英雄らのピックアップ+過去作の一定の配慮をまとめ+現行ライダー

これらの要素を物語として昇華させなければならない。

 

 

なぜこうも不安になるのか。

それは過去に振り返る必要がある。

 

第一に、仮面ライダーの映画の予告と実際に公開された内容が隔離しすぎることがある。

 

『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』

『仮面ライダー×仮面ライダー  W&ディケイドMOVIE大戦2010』

 

個人的に、この映画の予告と公開された作品の内容が、しっくりこなかった。予告と内容が違うことは広報的な面でも、仕方のない部分もある。

しかし、しっくりこない。

考えられる理由としては、冬映画は基本的に旧現行ライダーの物語が完結した後、ゲームでいうクリア後の楽しみ的なところがある。

 

その楽しみが予告で高まり、公開で落とされる。僕が見てたあのライダーは何なのか。好きだからこそ、認めたくない、でも好きなライダーの新たな一面だし、物語をどう受け入れるか。なんともいえない感情に陥るのだ。

特にディケイドは最終回後の映画予告、公開前の予告、公開後。いろいろ感じた人は多くいるはずだ。

 

第二に、過去に縛られる。

ディケイドからはじまった映画の過去作ライダーの登場。

 

『フォーゼ&オーズMOVIE大戦 MEGA MAX』

『ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』

『平成ジェネレーションズ  エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』

『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』

 

www.amazon.co.jp

 

上述4つは、過去作のリスペクトがなされ、なおかつ現行ライダーが成長し、あくまでも現行、旧現行があってのレジェンド出演である。

 

だが、春のオールライダー祭りやひとまずレジェンド出しくという安易な考えで、出演させることは、過去に見ていたライダーの自分たちの思い出に傷がつけられた感覚だ。

だからこそ、オリジナルキャストが出演しようが、しまいが、そこには作品に対して、一定のリスペクトが欠かせない。

だからこそ、縛られる。

過去作のキャラを出すには、もう全てを投げて、ただのマスコットキャラクターとして扱うのか、真摯に取り組みキャラクターを活かすのかのどちらにしかならない。

それほど、過去作というのは、新しい作品の亡霊となり、付きまとう。

 

そもそも仮面ライダーというメイン層が子ども向けなのだから、子どもが楽しめればいいだろうという考えもある。もちろん、子どもたちが楽しみ、自分の好きなヒーローがかっこいいい姿を是非、見て欲しい。

だからこそ、面白い作品を作って欲しい。

特に仮面ライダーやウルトラマン、放映中のアニメの映画を見るということが、子どもたちの映画デビューの可能性が高いはずだ。現に僕が初めて見た映画は「デジモン ぼくらのウォーゲーム」だ。

子どもたちの初めて見る映画は面白く、楽しいものであってほしい。子どもは、大人と違う。でも、感じ取り、気持ちを嚙み砕き、一生懸命に知ろうとする。だから、僕は当時見たアニメやヒーローが鮮明に残っている。今の子ども達もそうであってほしい、いや、もっと未来の感覚を持っているはずだ。

 

懐かしむ当時の仮面ライダーが、現行の作品でないがしろにされると物語に荒が出たり、過去の人たちを上映に呼び込むだけの過去作品であってはならない。

(デジモンtriはどう嚙み砕いていいか、未だに悩んでいます。)

 

レジェンドを呼び、現行の物語を描くには、とても大変なはずだ。

逆に言えば、完成された作品であるならば、楽しく面白い作品に違いない。

そして、子どもが大人になった時、「あの時見てた仮面ライダーはやっぱり一番かっこいいよな」というあなたにとってのベスト仮面ライダーになるはずだ。

 

 

改めて、言うが期待もしている。

あの電王がコメディ色が強い電王でなく、時の運行を守り、助けるかっこいい仮面ライダーの後ろ姿なのだから。また世界観も映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア ~超時空の大決戦~』のような設定で、面白い物語として成立する事例もある。ナレーションや『変身』の掛け声は胸が躍る。

 

 

www.amazon.co.jp

 

そんな心配は要らなかった本編感想記事