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【感想】(2019年2月14日追記)5話 守り子唄の巻・上 TVアニメ『どろろ』 聞こえる世界の苦しみを叫ぶのは

盲目にしか見えない魂の炎の色だけだった人や自然に音がつき、情報の波に溺れる百鬼丸。

そんな百鬼丸がどこか、耳に心地良さのようなものを感じる音源に近づく。そこにはミオがいた。

百鬼丸とミオの出会い、苦しみ、光を求めるも重たい第5話。

第6話の感想も書いていますので、そちらもご覧ください。

(2019年2月14日追記)

前回4話のおさらい

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 次回第6話の感想記事

 

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 目次

 

百鬼丸にとっての音

前回、百鬼丸が妖刀「似蛭」を倒し、取り戻した聴覚。それは、百鬼丸が耳を塞ぐほどの情報が流れ込んでくる。

十年以上、音がない状態で過ごした者にとっては、どろろの声や自然の音も鋭敏に聞こえる。

 

第5話冒頭での鬼神「妖鳥」との戦闘中には、慣れない音により苦戦を強いられていた。身体を取り戻す度に、弱体化する百鬼丸。

体を取り戻しても、動かし方や感じ方は分からない。

今の百鬼丸は、イヤホンから流れる音が常に最大音量で聞こえる、それは耳を塞ぎたくなるのも当然だ。

生きていく中で、ただ慣れていくしかない。

穴倉から出ていき、耳が聞こえる人に近づくためにも。

 

ミオの歌

音に混乱する中で、百鬼丸が聞きたいと初めて思ったのはミオの歌声だった。戦で孤児になった子どもたちを寺院で育てるミオ。

百鬼丸を介抱してくれたお礼にと、寺院での生活を手伝うどろろ。

そこから垣間見えるミオの仕事と呼んでもいいのかわからないものが脳裏をよぎる。ミオが一人で歌うときに込める気持ちは自分を守るためのようにも思える。

 

薬を自分のためにもらうため堺の戦場に向かう歌声。それを止めるように百鬼丸の手がミオを求める。薬をもらいに向かうミオの心は壊れかけた寺院のように、歌声にも悲しさを感じる。全てを聞こえてしまう今の百鬼丸だからこそ、彼女を求め、手を伸ばしたのかもしれない。

身売りをしていたのは着物の襟がはだけていたり、最初の川のシーンで下半身を清めていたことからも薄々は気づいていた。

ただ、実際に彼女が自分を守るように歌う場面を見ると心が辛く、苦しい。

 

ミオが歌っていたのは『赤い花 白い花』

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ミオと百鬼丸が互いに与えたものとは

ミオが寺院の階段で百鬼丸に歌った気持ちは悲しい思いでなく、百鬼丸を救いたいという純粋な思い。そんな思いを乗せることができるミオの魂の炎の色は透明そのもの。

ミオは身を売ることでしか、生計できない自分が汚れた色だと思い込む。

「そんなことはない。お前は綺麗だ。美しい。」とも伝えたいが、できない百鬼丸。せめて、歌を赤子のように懸命に求める。

ミオはそんな身を取られた過酷な道を歩く彼に、少しでも力になってあげたかった。自分も過酷な道を歩む者として、どこか自分を重ね。

 

自分が微笑むような人並みの感情を与えてくれた彼女の力になりたかった。別の場所で生活できる可能性の光を与えるためにも、ミオのために、百鬼丸は鬼神に刀を振るう。鬼神が自分以外にも、暴虐をしていたことは知っていたはず。しかし、今目の前にいる百鬼丸にとって特別とも言えるような存在に牙を立てていること、怒りや許せない気持ちが琵琶法師(琵琶丸)を通じて赤い色が混じるように見える。

 

魂の炎の色に関してはこちらに 

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互いにないものを無意識のうちにもらった二人。

ミオは百鬼丸から光を求める求心力を、百鬼丸はミオから人間らしい感情を与えてもらった。

 

守り子唄の巻・上

 

苦しみの叫び

蜘蛛とアリジゴクを混ぜたような鬼神をミオのために倒す百鬼丸。

今までの中でも、倒すことに躍起になっている。体の痛みなど知ったことかと戦うが、今までの戦いではなかった人の痛覚や聴覚が戦いに影響を与える。

琵琶丸から見ても、危ない百鬼丸。同時期にミオの仕事とも言えない身売りを見たどろろ。

初めて戻った右足の一部が食われた百鬼丸の悲痛な叫びと同時期に苦しみと自分を守るように歌うミオ。互いに何かを得るためには、何かを捨てなければならないのか。

 

百鬼丸が二回目に発した言葉は、叫び。

一度目は生まれたときの鳴き声。その直後に、鬼神に奪われた。またも、奪われる。

今回の5話冒頭で、鬼神「妖鳥」から声帯あるいは声を取り戻していたはず。

ただ、声の出し方が分からなかった。

ここ次の話で、鬼神「蟻地獄」と一時的に右足と声を等価交換してたんですね。

(2019年2月12日追記)

それを無理矢理「痛み」という感情で声を取り戻した百鬼丸の悲惨さが重なる。

 

そんな悲痛な現実が二人に襲い掛かる。

苦しい。ミオはもちろん、百鬼丸が原作以上に、ハードモードすぎる。

原作やゲームでは、一度も取り戻した身体が無くなることはなかったんですよ。

何度も言いますが、苦しい。

ある意味で、視聴者が百鬼丸と同じ苦しみを感じている一体感はある。

 

第6話 守り子唄の巻・下

冷酷にも現実は百鬼丸らを襲う。予告からもそれ以上の苦しいことが伺える。

すごい遠回しですが、百鬼丸が鬼神に奪われなければ、醍醐景光の力によって戦争は、百鬼丸がいた加賀や堺の付近は戦火がここまで降らなかったはずなんですよね。ただ、室町後期から戦国時代に向かう最中では、遅かれ早かれこうなってしまったのだろうか。

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